静脈物流とは、棄物の処理やそのリサイクルに関わる物流のこと。企業や消費者から発生する廃棄物などのモノの流れを静脈物流と呼ぶ。
静脈物流が注目されてきた背景には、有限な資源を有効活用する必要性が高まり、リサイクルの重要性が認識されるようになったこと、廃棄物の処理の過程で有害物質が排出されて環境問題を引き起こす為、廃棄物の適正な処理が必要なことなどがある。最近では、容器包装や家電のリサイクル法が成立しており、廃棄された製品をメーカーや地方自治体が回収することが義務付けられるようになった。
この為、これらの製品を生産している企業は、従来のように動脈物流を単に効率化するだけでなく、自社の静脈物流を新たにシステム化する必要性に迫られている。
物流業者にとっては、廃棄物の回収やリサイクルの過程において、新しい静脈物流市場が形成されている為、この市場をいかに取り込んでいけるかが、新たな物流課題となっている。